新郎新婦のお母様たちと私たち着付け師はよくお会いします。
「なにを着ていいか迷った」
「結婚式のルールってよくわからない」
こういうことをよくお聞きします。
人生にそう何度もあるわけではない「新郎新婦の母上」という立場。
今日は、このお母様達に結婚式でよく見受けられる衣装のことをお伝えします。
洋装和装共通のお話し
ハンカチ
これは必需品!
いつものハンカチは手を拭くことがメインかもしれませんが、結婚式では感動の涙をぬぐうことがハンカチのお仕事になります。
汗や涙をぬぐうほかにも、ちょっと指先や口元を綺麗にしたり、とにかくハンカチの出番は多いですので、いつでも使えるようにバックに忍ばせてください。
出来たら2枚は準備しておくといいです。
お色やデザインですが、フォーマルの場ですからその場所や衣装に相応しい「白の無地のハンカチ」をご用意ください。刺繍やレースが施されている上品なものもいいですね。
もし白以外を選ばれるのでしたら、淡いピンクなどで柔らかく品がある色にすると宜しいかと思います。
小物やコートの素材に注意
結婚式では皮製品・毛皮、アニマル柄など「殺生」をイメージさせるものはNGといわれています。
バックや靴はもちろんのこと、冬の日会場に着てくるコートやショールにも注意が必要です。
次に髪飾りですが、もしつけるのでしたらパールのあしらわれた物が美しいです。
和装の場合は漆やべっ甲などの簪(かんざし)なども、とてもお似合いです。
ごく稀に「花を…」と言われるのですが、基本髪に花を飾るのは花嫁様とかぶるため避けていただきたいです。
腕時計ですが、「時間を気にしているよう」といわれ、フォーマルな場ではいわれ、外すものと言われています。
腕時計は写真撮影の際にピカっと光ってしまう事もありますね。
また「刺繍やレースの衣装に時計が引っかかってしまった」という話しも聞きます。自分の衣装だけでなく、周りのゲストの衣装に引っ掛けても怖いですね。出来るだけ外すことをオススメします。
バックは小さい
洋装で使うパーティーバックといい着物用のバックといい、とにかく小さいです。
挙式にはお財布などは使うことがありませんが、やはり貴重品はご自身で持っていかれるのが一番ですので、バックに入るサイズのものを使われる方がいいですね。
貴重品にハンカチ、口紅、スマホ・・・最近はスマホも必ず持っていくので、バックの中はかなり一杯!
当日、「思いのほかバックが小さくて…」と、クロークの前で荷物の仕分けに戸惑われる方も沢山いらっしゃいます。一度お家でバックに何を入れるのか、何が入るのか、確認しておく方がいいですよ。
また、礼装用のサブバックを持つのもいいのではないでしょうか。
和装(留袖)のお話し
留袖にはルールがある
お母様達が着るのは「黒留袖」。
家紋が五つ入り、既婚女性の衣装としてもっとも格式が高い着物です。
黒留袖には色々決まり事があります。
まずは足袋は白。長襦袢(着物の下に着る内着物)も白。半衿も白。
帯は礼装用(金糸銀糸の織の帯)の袋帯。
帯締めは白・金・銀。
帯揚げは白(部分的にすこし金糸が入ったものもあります)。
末広。黒骨に金と銀の「婚礼用」の物になります。
ごくたまに白骨の金銀(これは色留袖や訪問着に使用します)や、お茶で使用する茶扇子、踊りに使われる日本舞踊などの舞扇マイオウギ・能扇ノウオウギなど、これでいいかしら?と持ってきてしまう方もいますが、黒留袖には婚礼用の黒末広ですのでお間違いなく。
貸衣装で借りられる場合は安心ですが、ご自前の留袖を着られる場合は注意してください。
もし不安な時は、呉服屋さんに相談して見てもらうのもいいですし、前もって持ち込みができる会場でした数日前に確認してもらうのも安心ですね。
当日の持込み?それとも前日までに送れる?
お着物を何人かでお召しになる場合は、必ず一人分ずつ分けておきましょう。
着物・帯・長襦袢、帯締め・帯揚げ、草履バック、下着・足袋、補正タオル、着付け小物
複数人の荷物が混じっていると、まず仕分ける作業が必要となり時間もかかります。そして場合によっては荷物が混在紛失する危険も出てきますよ。
また、前日までに会場に着物を送る場合、注意していただきたいのが「鍵」です。
キャリーケースなどで送った場合に鍵がロックされていて、当日準備ができないなんて事がよくあるんです。
どうしても鍵をかけたい場合は、担当者に前もって暗証番号を伝えておくとか、鍵を渡しておくようにしてください。
洋装のお話し
予備のストッキングは必ず準備して
普段ストッキングを使用していない人も、この日ばかりは素足というわけにはいきません。
お手洗いでちょっと引っ掛けてしまって・・・気になりますよね。
また、天気が雨の場合だってありますから、雨濡れ・泥はね・・・とっても嫌ですね。
荷物はクロークに預けておけばいいので、必ず予備をもって行きましょう。
この予備がひとつあるだけで、ゆったりとした気持ちでお式を送ることができますよ。
靴擦れ要注意
当日はヒールを履く方も多いはずです。
ふだんヒールに慣れている人でも、当日履く靴は違いますよね。
だから、カカトだけでなく指周りの圧迫具合も気になるところです。
ふだん履きの靴とは違い、たまにしか使用しないので靴全体が硬いなんて事もありますから、お家で試し履きしておきましょうね。
挙式・パーティースタイルによっては、花嫁道中があり参道を少し歩いたり、神社などでは靴を脱いで本堂に上がる事もあります。ガーデンパーティーで挙式中立って参列する場合も。また披露宴では、お色直しの退場を新郎新婦と一緒にしたり、後半にお客様たちの前に立っている事もあります。お客様たちのお見送りを立ってする事も。
足元は大事です。
負担が少なく、美しく、当日を迎えましょう。
まとめ
結婚式の当日は、何かと慌ただしいものです。
特に、ふだんから家族のためによく働くお母様たちは、この日でも色々動こうとしてしまいます。
荷物だって運ぼうとしますし、お孫さんの面倒だって率先してみます。
中には介護のお世話中の方だっています。
せっかく綺麗にしてきたネイルが割れたり、衣装を引っ掛けてしまったり、アクセサリーを壊してしまったり。。。こうなるのは避けたいですね。
関係者さまの特に男性の力を借りてください。
そうはいかないのなら会場のスタッフに申し付けてください。
結婚式の当日は時間も長いです。お支度〜披露宴のお見送りまで、トータルで7時間や8時間はかかりますよ。
お子さまの晴れの日。少しでもゆったりと優雅な気持ちでお過ごしくださいね。
・・・着付け師より
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