枝ばかりだった街路樹にも、小さな蕾や若葉がつき始め、
待ちに待った春が近づいてきました。
ここ数年、卒業式に袴を着る小学生が増えています。
今日はそんな小学生の卒業袴についてお話ししましょう。
「卒業袴:女袴」ってなに?
明治の文明開化時代、これまでの着物の生活のなかに海外の文化としての洋装やイスでの生活などが加わり、だんだんと女学生や女性教師たちの制服として取り入れられました。
明治の後期からは、今のようなスカートタイプ(行燈袴あんどんばかま)が主流となって、学生たちはこれで自転車に乗ったり、テニスをしたりと活発に動いていたようです。
有名なところだと、漫画やアニメの「はいからさんが通る」や、NHKで放送されていた「花子とアン」が思い出されますね。
そもそもが学生のための制服だったものですから、卒業式に着るのはピッタリな衣装なのではないでしょうか。
どうやって手に入れる?
大きく分けると「レンタル」か「購入」でしょうか。
小学生が着る着物は「肩上げ」が必ず必要となります。
レンタルの場合はこれをしてあるものがほとんどです。購入品の場合は、ご自身でされるか、呉服屋さんにお願いしてください。
また、袴の丈は調整することができません。
なので、親戚などでの貸借りというのも難しいでしょう。
着物を大人用のものを着せる場合は、肩上げはもちろんですが、全体の布がかなり余ってしまうので、これを2度あげ(3度あげ)などして処理する必要があります。
(あとで書きますが、着物をしっかり短く上げておかないと、あとでトイレに行きづらくなってしまいますからね。)
小学生はまだまだ成長盛んな時期です。
あっという間にサイズも変わります。
コーディネートもされていて、サイズ展開も豊富な貸衣装でレンタルされる方が、いろいろとラクかもしれません。
最近はネットでレンタルできるお店も増えました。
ただし、袴は丈の調整ができないので、必ず試着して選ぶようにしてくださいね。
お子さまにコレは絶対教えましょう
袴はスカートの様とはいえゴワつくロングフレア。
着物の袖には袂(たもと)があるし、袴の下には短く調整した「長襦袢や着物」を着ています。
なかなかの重装備ですよね。
慣れないとおトイレだって心配になります。
なので一度でいいから、お家で(着付け師がいるところで)一度でいいからおトイレに行ってみましょう。
レッツ★トライ!!
● 袂(たもと)が長い場合は、前でバッテンしてからげておく
● 袴の裾をぐるっと全部まくって持つ
● 袴の中の着物や長襦袢は、全部ミニになってる
● 済んだらゆっくり袴を下ろして(シワが気になるときは引っ張らないでパンパン叩く)、袂のバッテンを元に戻す
おトイレに入るときは、便器に触れない様にちょっと意識して離れて、ゆっくりと落ち着いてください。
学校で安心して過ごせる様に、出かける前にお家で一回いきましょう!!
まとめ
袴の下はスカート状なので、女の子にとってはかなり楽チンです。
ただ、3月。
まだまだ寒いです。
特に今年は式典を校庭など外で行う学校もありますし、換気のために体育館だって窓や扉が開いているでしょう。
ブーツを履く場合は厚手のタイツをお勧めします。
草履の場合はレギンスなどで足元の防寒対策をしてあげてくださいね。
上半身は補正もされるので胸周りはかなりあったかいです。
ただし、着物は身八つ口(脇の下の部分)が開いています。その対策として、襟元が大きく開いた薄出のシャツなら着ることもできます。(着せてくれる人に相談しましょう)
「小学生の卒業袴」
この時のこの瞬間にしか着ることができない、最適な衣装。
ぜひ人生の節目の大切な思い出を作ってくださいね。