お着物を着るとき、直接肌に触れて最も目立つ場所というのが「衿もと」。
そしてこの衿もとにある布が「半衿」。
この半衿は着ている人だけでなく、側から見ても一番目につくものなんですね。
半衿の役目ってなに?
半衿はただの装飾ではありません。首に直接触れ「着物が汚れるのを防ぐ」というすごい役割を担っているんです。
お着物を着て一日過ごすとじっとり汗もかきます。冬だって暖房が効いた中では汗ばみますし、季節は関係ありません。
また最近はスマホをいじるため、思った以上に下を向く姿勢をとられているようです。ファンデーションがついてしまうので気をつけてくださいね。
いちばん目立つ場所にファンデーションの汚れ…悲しくなります。
着物が汚れるのを防いでくれる半衿ですが、目に見えるような汚れはできれば避けたいものです。
半衿は必ず必要!必ず付けておきましょう
着物を着る準備として、半衿を長襦袢に縫い付けます。
弛みなくビシッと縫い付けてください。
でも上手につけるのはなかなか難しいものですから、半衿のたるみは当日お着付けをする前に着付け師が糸を通して張らせもらいます。
刺繍衿をつける場合、着物を着たとき衿がでる位置に刺繍の柄が出るように縫い付けなければなりません。
けっこう難しいのですが、上手につけないと実際にきたときに模様が出ません。
柄の位置、左右のバランスを見てつけてください。
最近では半衿付け用の両面テープが売られていますが、これを使用する場合は衿芯を通した時に無理な力が加わらないようにテープを貼りましょう。
そして、着物を脱いだらすぐにテープを外しましょうね。
そのままにしておくと粘着面が変色してきますよ。
礼装(留袖)の衿について
半衿はもともと長襦袢につけるもので、
この半衿の色に決まりがあるのは礼装:留袖。
最礼装である留袖の衿は「白」と決まっているのです。
ただ最近では、白地に白金銀糸の刺繍が入ったものも多く出ていますので、候補に加えてみてはいかがでしょうか。
半衿に刺繍が入っていると、布地にボリュームが出てお顔に華やかさが加わります。
なので、グッとエレガントにしたい場合はもちろんのこと、ショートカットでヘアスタイルがシンプルな場合などは、首回りを刺繍衿にすることで上半身に華やぎをプラスすることができますね。
ひとつ気をつけて下さい!
刺繍衿でも「白金銀糸」以外のお色が入ったものは留袖には使用しませんからね。
重厚な留袖にはNGですよ。
まとめ
半衿は取り外して洗ったまた付け直して使用するものです。
半衿を洗うときは中性洗剤を使ったりもしますが、個人的にはドラックストアで販売している緑色の石鹸「ウタマロ」がお気に入り。
1日使うだけで、汗やファンデーションなどが付いてしまいますから、しっかり洗いましょう。
アイロンをビシッとかけて、真っさらで綺麗な衿もとでお着物を楽しんでくださいね。