着付け師として結婚式に立ちあい、そこでは数々の感動の儀式に出会ってきました。
その中でも、挙式の際に行われるものを紹介させてもらいます。
親御さんに協力してもらうことが最も多いようですが、事情はありますので、お身内の方でもいいし親友だったりお世話になった方などに、一緒に参加してもらうのも素敵ではないでしょうか。
ベールダウン:新婦様(洋装)
ウェディングベールの歴史はかなり古く古代ギリシャ時代とか言われているそうで、このベールはもともと美しい花嫁を魔物から守り花婿の元へ向かわせる「魔除けのアイテム」なんですって。
バージンロードを歩く前や入場の直前に、お母様にベールを降ろしてもらい新郎様の元へ送り出してもらう。
ここでは母娘の贈る言葉が交わされているんです。。。なんて美しいんでしょう。
お母様は留袖を着ていることが多く、あまり高く腕を上げることができません。(脇を大きく動かす姿は、和装だけでなく洋装でも美しく見えませんのでご注意を)
でも、花嫁さまが頭を低く下げてくれますから、安心して大丈夫。
ゆっくり落ち着いて肘から腕を動かすイメージで、フワリとベールを降ろしてくださいね。
ジャケットセレモニー:新郎様(洋装)
今度は新郎様の儀式です。
挙式のスタートは新郎様が一人で入場し、バージンロードを歩いてくる新婦様を迎える。
これが良く見るスタイルですが、新郎様も親御さんとの儀式があってもいいですよね。そこで「ジャケットセレモニー」です。
入場の直前にタキシードなどのジャケットを親御さんに着せてもらい、身支度を完成させて入場する。というものです。
お父様に着せてもらい、男同士の贈る言葉を交わすのもとても素敵です。
お母様だって良いんですよ。お父様は披露宴での謝辞がありますが、お母様は特に前に出る機がありませんから、お母様にやっていただくのも良いかもしれませんね。
特に新郎様の場合は、「なかなか贈る言葉や感謝の言葉を交わすこともなかった。」なんて聞いたりします。照れくささもあるんでしょうけどね。
こういう儀式をがあることで、親子が一瞬でも向き合う時間ができるって素敵なことではないでしょうか。
紅差しの儀:新婦様(和装洋装どちらでも)
この儀式は挙式の時だけでなく、前撮りだったり、控室でのお支度の最後に行われることもあります。
ただ、和装挙式の花嫁様が入場の際に行うこともよくあります。
大切に宝物のように育ててもらい、そのお嬢さんの最後のお支度として口紅をお母様が差してくれる。
美しく身支度を整え新郎様の元に向かいます。
ゲストからしても感極まる儀式です。
筥迫の儀:新婦様(和装)
「紅差しの儀」と似た意味なのが「筥迫(はこせこ)の儀」。
筥迫(はこせこ)は和装の際に花嫁様の胸元に差し込む「化粧箱」のことです。
これを新婦様の胸元に差し、新郎様の元に送り出す儀式です。
まとめ
これらの儀式はカメラマンさんからしても大事なシャッターチャンスとなり、親子での贈る言葉・感謝の言葉を交わす時間となります。
結婚式の当日は早い時間からお支度に時間をとられますし、新郎新婦様はもちろんのこと、お父様お母様も準備やゲストのことなどで余裕がないのも事実です。
ましてやご家族皆さんが遠方から来られる場合は、ゆっくり会話もしていないなんて事もよく聞きます。
いつもなら親子で見つめ合うなんて照れくさく感じるかもしれませんが、こういう儀式だからしっかりと向き合い言葉も交わせる気がします。
結婚式はご家族にとっても大事な大事な一日です。
一緒に参加してもらい、お二人とご家族の思い出の結婚式を作ってくださいね。